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「忙しいビジネスマン向けグッズの通販」のキャッチコピーをかかげる「一式屋」は、ネクタイやワイシャツ、バッグなど、男性社会人が使うもの「一式」を扱うネットショップ。もともと輸出入の仕事がしたかったという代表の花俣さんは、以前は大手電機メーカーで働いていた。

その後、どのようにネットショップの立ち上げにこぎつけたのか、じっくり見学してみよう。

英語が堪能でなくても、輸入業はできる

花俣「学生の時は輸出入の業務に興味があり、新卒で入社した電機メーカーでは、購買部に配属されました。国内や海外から部品を購入するので、仕入れの業務をひととおり経験できます。『一式屋』ではまだ国内の商品しか扱っていませんが、前職の業務経験は大変役に立っています。もともと独り立ちしたいという思いがあったので、2年前に思い切って退職しました」

独りで事業を始めたら、しばらくは長期休暇を取れないと思った花俣さんは、思い切って1年間を海外旅行に費やす。仕事で付き合いのあったタイやヨーロッパの知人にも会いに行った。さぞかし英語が堪能だろうと思うが「そうでもない」と言う。「海外の仕事をしたいのに英語に自信がない」という人も心配はいらないようだ。

花俣「正直、流暢には話せません。でもポイントを押さえておけばビジネス英語は通じるんです。大事なのは仕事の内容がしっかり理解できていて、交渉の条件などが話せることです。逆に言えば『英語ができないから輸入業ができない』ということはないと思いますよ」

1年間の休暇を終えて、いざ事業をはじめようと思ったとき、すぐにビジネスマン向けのネットショップを思いついたわけではなかった。

花俣「ふわふわした願望を、リアルで実現可能な目標に落とし込むのが一番苦しかったかもしれません。今日すべきことがなかなか見えてこないんです。『ネットショップ』というのは頭にあったので、『ドリームゲートカレッジ』というスクールに通うことから始めました」  

スクールではノウハウに加え、ショップで扱う商品なども決めていった。健康グッズ、ファッション系などインターネット受けの良いものも考えた。しかし、自分自身がサラリーマンだった頃、夜遅く帰ってきて買い物もままならなかった経験から、ビジネスマン向けのネットショップにたどり着いた。

「会社の仕事」ではなく「自分の仕事」

ついに2008年1月、「一式屋」をオープンし、新しい挑戦が始まった。まだ3ヶ月も経っていないが(取材時)、順調に売上が伸びているという。

花俣「ネットショップは、比較的気軽に始められるので、ライバルは数知れません。しかし、副業として片手間でやっている人も多いので、むしろ本気のサイトは生き残れるチャンスがあるんです」

ネットショップを始めると、意外なことがあった。顧客の約4〜5割は主婦で、夫のために商品を購入しているのだ。だからといって、主婦向けのサイトにするのではなく「しっかりターゲットを絞って男性向けのサイトにしよう、と改めて思いました」と花俣さんは言う。ここでターゲットを変えてしまったら、むしろ逆効果。「夫のビジネスグッズを購入する」というニーズを的確に満たすためには、男性向けを前面に押し出した方がいいのだ。

商品が売れ始めると、買ってくれた顧客から、「いい商品だった」とお礼のメールをもらうこともあった。自分の目で確かめ、選び、仕入れた商品だから、その喜びもひとしおだ。

花俣「『会社の仕事』ではなく、『自分の仕事』をやっていると感じます。前職では、いかに安く仕入れるかが重要視されましたが、今はお客様の役に立つことを第一に考えますね」  

軌道に乗ったら、輸入品も取り入れたいという花俣さん。「普段よりちょっと上質なもの」も気軽に買えるサイトを目指している。インタビューの最後に「自分で事業をやるのって、本当におもしろいです」と付け加えるほど、今は仕事が楽しくて仕方がないようだ。

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